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世 界 議 会 規 約 |
草 案
世 界 議 会 規 約
鈴 木 俊 雄
世 界 政 府 研 究 所
前文
これは、世界議会の規則を規定する規約である。世界議会の運営は、この規約に従わなければならない。この規約は、世界議会を設立しようとする各国の全権大使からなる会議に採択された後に、拘束力を持つ。 我々は、かけがえのない地球上に生きる世界市民である。我々は、世界平和と人類の幸福を心から望む。世界の政治経済的な事柄について考えるとき、その政治経済的な事柄に与える優先順位の確固たる基準を持たなければならない。この基準は、時代により変化する。 原始時代には、農業はなく、人々は自然の植物や動物を食べていたのですべての人々が非常に貧しかったが、なんとか生きることはできた。この時代の社会の最優先事項は、それぞれの地域社会の人々の幸福であったと思われ、世界平和と環境の保護ではなかったと思われる。 封建時代には、農業があった。農業は、偉大な技術であった。農業は、社会に余剰をもたらし、この余剰のおかげで、多くの人々は貧しかったが、封建社会は職業軍人や地主や僧侶などを養うことができた。これは、牛や馬で土地を耕したり荷物を運んだりする技術を持った農業がある社会では、すべての人々が善良ですべての問題が対話で解決されれば、貧しい人々はいなくなり戦争は防げるということを意味する。この時代においては、社会の最優先事項は、人々の幸福とそれぞれの国の平和だったと思われ、世界平和、貧困の撲滅、および環境の保全ではなかったと思われる。封建時代においては、戦争は終結されていなかった。 現代では、科学技術の水準は封建時代のそれとはくらべ物にならない。しかし、依然として、世界の多くの場所において戦争があり、貧困は根絶されていない。さらに、新しい問題、環境の破壊、が発生した。それ故、現代では最優先順位は、戦争の終結、貧困の撲滅、および環境の保全に与えられなくてはならない。 もし、最優先順位が上の事柄に与えられなくてはならないとすると、何をしなければならないだろうか。世界議会を設立しなければならないことは、明らかである。21世紀において、我々は奇跡的な技術を持った世界に生活しているが、戦争と貧困は依然として存在する。これらの問題は世界議会なしでは決して解決されないと思われる。何故ならば、これらの問題は世界のすべての国が協力した時に初めて解決されるからである。国連は、十分に機能を果たすことができない。世界で最も強力な国が国連の承認なしに他国を攻撃し占領する。安全保障理事会の常任理事国の拒否権のために、国連はこの行動を非難する議決案を可決できない。我々は、各国の人口に応じて人々に直接選ばれた議員で構成する世界議会を設立することで、この問題に取り組むことができる。世界議会の力は、人々の支持に基づいている。世界議会の議員が人々に直接選ばれれば、人々は世界議会を支持するであろう。この人々の支持は、世界議会の権威を国連の権威よりはるかに強固にするであろう。さらに、本規約で以下に規定されているように、議員は世界議会に登録してから1年後に世界議会への公式の代表になれる。各登録議員は、他の登録議員に問題があれば、異議を申し立てることができる。それ故、登録議員には汚職はない。この制度も世界議会の権威を強化する。このように登録議員は、他の登録議員の批判に耐える強い個性を要求される。 世界議会の設立の第1段階において、世界議会は立法権のない諮問会議であり、良好に機能すれば、立法権を得て世界連邦憲法を制定する。議会の議席は、各国の人口に応じて配分される。それ故、設立の最初の段階で、二か国でさえ世界議会を設立でき、ほかの国はあとから一か国ずつ加入できる。 議会が立法権を得た後、世界連邦憲法を制定できる。新憲法が制定された後、世界議会規約は廃棄され、世界議会は世界連邦憲法に従う。世界連邦憲法においては、世界議会、世界政府、および世界法廷があり、詳細は憲法に規定されている。軍事力が世界政府に管理されれば、戦争は減り、戦争の犠牲者は減り、これは、軍事力への支出を減らす結果になるであろう。また、世界中央銀行に発行される世界共通通貨が、為替レートの変動をなくすと言うことができる。さらに、世界連邦は、すべての人々に雇用を提供できるが、これは、貧困の撲滅を可能にする。 政治と宗教の関係については、政治と宗教は分離されており、すべての登録議員はいかなる宗教も信仰できる。 ここに、世界議会規約を制定する。
第一章 世界議会の設立
第一条 世界議会の権威
世界議会は、構成国がたった二つでも設立できる。第一段階では、世界議会は立法権を持たない。世界議会は、世界の政治経済的な事項に関して議決するが、これらの議決は初期段階では拘束力を持たない。世界議会が良好に機能すれば、立法権を与えられ、世界連邦における行政のための世界連邦憲法を制定する。世界連邦憲法が公布され世界連邦が樹立された後、世界議会規約は廃棄され世界議会は世界連邦憲法に従う。世界連邦において、世界議会は立法権を持つ。
第二条 世界議会の設立
一 世界議会の設立の第1段階において、世界議会を設立しようとする国からの全権大使によって世界議会を設立するための会議が設立される。この会議は設立会議と呼ばれ、議長は全権大使によって任命される。次の段階では、世界議会規約が設立会議によって採択され、規約は拘束力を持つ。設立会議は、暫定世界議会を設立し、その暫定世界議会が世界議会を宣言する。 二 設立会議は、暫定世界議会における各国の議席の配分を人口に応じて決定する。 三 次の段階では、暫定世界議会の議員が、各国少なくとも二か国において、選挙で選ばれる。設立会議の委員は、暫定世界議会の議員に成り得る。 四 当選した議員は、各国の選挙の1年以内に、暫定世界議会に登録されなければならない。各国は、各国の議席数の3倍の議員を登録できる。各国は、その議席に応じて、登録議員の中から代表を送ることができる。 五 登録議員は、登録から1年後に、暫定世界議会への代表になることができる。 六 代表は、総裁、書記、広報官、登録委員会委員、財務委員会委員、会計検査院検査官の選挙に立候補することができる。 七 設立会議は、選ばれた議員の登録の開始から少なくとも1年後に、暫定世界議会の開催地を決定し暫定世界議会を招集する。暫定世界議会の会期において、設立会議は暫定世界議会総裁、書記、広報官、登録委員会委員、財務委員会委員、会計検査院検査官を各国からの代表の候補者から選挙する。
第三条 設立の宣言
一 総裁、書記、広報官、登録委員会委員、財務委員会委員、および会計検査院検査官の選挙の後、暫定世界議会の総裁は、世界議会が設立されたことを宣言する。世界議会の設立の後、設立会議は解散され、設立会議の機能は登録委員会によって遂行される。暫定世界議会の総裁、書記、広報官、登録委員会委員、財務委員会委員、および会計検査院検査官は、新たに設立された世界議会の各役職に就く。
第二章 組織
第四条 組織の名称および目的
本組織の名称は、「世界議会」とする。目的は、世界連邦に基づいた世界民主主義を、その議員が世界の人々に直接選ばれた議会の力により、確立し維持することである。
第五条 事務所
世界議会の中心的な事務所の所在地は、世界議会によって決定される。
第六条 議会制度
世界議会の議会制度は、一院制とする。
第七条 各国の議席
一 世界議会の総議席数は、基本的に1,000とする。世界議会の議席は、各国の人口に応じて配分される。ただし、総議席数は、配分の過程でわずかに変化し得る。議席の配分および告示は、次の任期の最初の会議より少なくとも3年前に行われなければならない。 二 以下の例は、各国の人口に応じた配分の例である。
表−1 議席の配分
世界の人口は68億2,929万7,000人で、そのうち中国は13億4,575万1,000人、インドは11億9,800万3,300人、アメリカは3億1,465万8,800人、日本は1億2,715万6,200人、仮想国は1,000人と仮定される。代表の総数は基本的には1,000人で、議席は人口に応じて配分される。したがって、中国の場合、議決権は197.0556票となる。同様に、インドは175.4212票を持ち、アメリカ 46.0748票、日本 18.6192票および仮想国 0.0001票を持つ。これは、小数第1位を切り上げあるいは切り下げて整数に調整する。小数第1位がゼロでなければ切り上げられ、ゼロならば切り下げられる。1票未満の票を持つ国の場合は、ゼロでなくもっとも小数点に近い桁が切り上げられる。中国の場合は、小数第1位はゼロなので切り下げられ調整済み議決権は197.000になり、公式の代表は197人となる。インドの場合は、少数第1位はゼロではないので切り上げられ、調整済み議決権は176.000になり、公式の代表は176人になる。アメリカと日本の場合は、調整済み議決権は同様に計算され、公式の代表はそれぞれ46人と19人となる。仮想国の場合は、人口は1,000人なので、議決権は0.0001票で、小数第4位がゼロでないので0.001票に切り上げられる。したがって、この国は0.001票の議決権を持った代表を1人送ることができる。この措置により、すべての議決権は1票、0.1票、0.01票、0.001票に分類できる。従って、議決権の総数は基本的には1,000票であるが、実際の代表と議決権の総数は、それぞれ1,000票を若干上回ることになる。
第八条 各国の議決権
世界議会において、議決権は他の党員に委任することはできず、各国の最大議決権数は基本的に理論的最大議決権数に基づく。理論的最大議決権数は、出席代表数を出席国数で割って得られる。最大議決権数の計算において、1未満の議決権は計算されない。すなわち、1票未満の議決権を持つ国の議決権は考慮されない。換言すれば、最大議決権数の計算において、一国の代表数はその国の議決権数と同じである。計算は、すべての出席代表が議会に登録された後になされる。各国の最大議決権数は、以下の二つの条件によって決定される。
i 各国の代表数が理論的最大議決権数以下であること。 ii 上の条件に合致する国で、国の代表数が最も理論的最大議決権数に近いこと。
以上の二条件を満たす国の代表数を各国の最大議決権数とする。換言すると、各国の最大議決権数は、国の議決権数が理論的最大議決権数以下で、かつ議決権数が理論的最大議決権数以下の国の中で、理論的最大議決権数にもっとも近い国の議決権数とする。例を以下に示す。国Aは10人の代表、国Bは20人の代表、国Cは30人の代表、および国Dが40人の代表を送る。したがって、参加国数は4で、代表数は100となる。この場合、100 / 4 = 25なので、理論的最大議決権数は25である。国Bの20人の代表が理論的最大議決権数より少なく、理論的最大議決権数と同じか、より少ない国の中で最も理論的最大議決権数に近い。それ故、最大議決権数は、20で、国CとDからは代表20人のみが代表として受け付けられる。 以下の表は、他のいくつかの数値例である。
表−2 各国からの代表数
i 参加国が2か国の場合。各国の理論的最大議決権数は参加国の総議決権数の100 / 2 = 50%である。たとえば、上の表に示されるように、国Aが20人の代表、および国Bが80人の代表を送ると、総代表数は100になる。したがって、理論的最大議決権数は100 / 2 = 50である。しかし、国Aからの20人の代表は、理論的最大議決権数50より少なく国Bからの80人の代表は理論的最大議決権数より多い。それ故、国Bからは、代表20人のみが受け付けられる。 ii 参加国が3か国の場合。各国の理論的最大議決権数は、参加国の総議決権数の100 / 3 = 33.333 . . . %となる。たとえば、国Aが15人の代表、国Bが30人の代表、および国Cが55人の代表を送れば総代表数は100となる。それ故、理論的最大議決権数は、100 / 3 = 33.333 . . . となる。それ故、国Bの30人の代表が理論的最大議決権数33.333 . . .より少なく、理論的最大議決権数と同じか、より少ない国の中で最も理論的最大議決権数に近い。それ故、最大議決権数は、30で、国Cからは代表30人のみが受け付けられる。 iii 参加国が4か国の場合。各国の理論的最大議決権数は、参加国の総議決権数の100 / 4 = 25%となる。たとえば、国Aが15人の代表、国Bが20人の代表、国Cが30人の代表、および国Dが35人の代表を送れば総代表数は100となる。それ故、100 / 4 = 25が理論的最大議決権数となる。それ故、国Bの20人の代表が理論的最大議決権数25より少なく、理論的最大議決権数と同じか、より少ない国の中で最も理論的最大議決権数に近い。それ故、最大議決権数は、20で、国Cと国Dからは代表20人のみが受け付けられる。 iv 参加国が5か国の場合。各国の理論的最大議決権数は、参加国の総議決権数の100 / 5 = 20%となる。たとえば、国Aが5人の代表、国Bが10人の代表、国Cが15人の代表、国Dが30人の代表、および国Eが40人の代表を送れば総代表数は100となる。それ故、100 / 5 = 20が理論的最大議決権数となる。それ故、国Cの15人の代表が理論的最大議決権数20より少なく、理論的最大議決権数と同じか、より少ない国の中で最も理論的最大議決権数に近い。それ故、各国の最大議決権数は、15で、国Dと国Eからは代表15人のみが受け付けられる。 iv 参加国が6か国以上の場合。最大議決権数は同様に計算される。 この方法により、小数の国の極端に大きな代表団が防がれる。
第九条 議席の計算のための統計
一 議席の配分を決定する人口の統計は、最新で最も信頼できるものでなければならない。 二 人口に関する統計が入手できないときは、設立会議または登録委員会は、入手できる情報にもとづいて議席数を決定する。
第十条 理事および世界議会の機関
一 理事は、総裁、副総裁、幹事長、幹事、広報官、設立会議または登録委員会の委員、および財務委員会の委員よりなる。 二 議会の基本的機関は、理事会、設立会議あるいは登録委員会、財務委員会、および会計検査院とする。 三 理事は、世界議会の議員でなければならない。ただし、会計検査院の委員は、世界議会の議員である必要はない。
第三章 理事と機関の機能
第十一条 理事会の機能
一 理事会は、総裁が招集し、総裁、副総裁、書記長、書記、広報官、設立会議あるいは登録委員会の委員、および財務委員会の委員から成る。 二 総裁は、議長になるか議長を任命する。 三 理事会は、開催地、世界議会の会期、予算案、その他の必要な事項を決定する。すべての事項は、世界議会に報告されなければならない。必要があれば、総裁は、他の会議または委員会を組織することができ、それらの委員は総裁によって任命される。この場合も、全ての事項は世界議会に報告されなければならない。 四 理事会は、以下のいずれかの場合に成立し、理事会におけるすべての事項を議決する。 i 過半数の理事が出席している。 ii 理事会開催の通知が少なくとも開催日の一か月前に、通常の手紙、電子書簡、インターネット上の掲示板等を通して、総裁により発行されていて、開催会場は他の会場と比べて到達することが困難でない。この場合、理事会は出席している理事の数に関係なく承認される。 iii 異なる場所にいる理事同士の通信が、インターネットあるいは他の電子的通信システムを通して行われ、三分の二を上回る理事が回線上の理事会に出席している。 五 理事会におけるすべての事項は、会場あるいは回線上の出席している過半数の理事によって議決され、可否同数のときは、議長が決定する。
第十二条 総裁の職務
一 世界議会の総裁は、世界議会、理事会、および他の必要な会合を招集する。 二 総裁は、世界議会、理事会、および他の必要な会合において議長を務めるか、議長を指名する。 三 総裁は、世界議会議員の中から、副総裁を任命し、少なくとも三人の副総裁の代理人を指名し、代理人の順位を指定する。
第十三条 副総裁の職務
一 世界議会の副総裁は、総裁が何らかの理由で職務を果たせない時は、総裁として職務を果たす。 二 副総裁が職務を果たせない時は、総裁に任命された代理人が総裁として職務を果たす。
第十四条 書記長の職務
一 書記長は、総裁の命を受けて、世界議会の議員の関係を整える業務を行う。 二 書記長は、世界議会の公式の議事録を作成し、法律で規定された他の職務を遂行する。
第十五条 書記の職務
一 書記は、書記長の命を受けて職務を行う。 二 書記長を含む書記の最大数は、7人とする。
第十六条 広報官の職務
広報官は、世界議会の公式声明を発表する。
第十七条 設立会議あるいは登録委員会の職務
一 設立会議あるいは登録委員会は、世界議会の議席を人口に応じて各国に配分する。 二 設立会議によって配分された議席数は、世界議会による承認がなくとも有効とする。登録委員会によって配分された議席数は、世界議会によって承認されなければならない。 三 設立会議あるいは登録委員会は、各国から選出された代表の登録を受け付ける。 四 設立会議あるいは登録委員会は、不適格な登録議員を除名する手続きを遂行する。 五 設立会議あるいは登録委員会は、世界議会総裁、書記、広報官、登録委員会委員、財務委員会委員、会計検査院検査官の選挙を遂行する。 六 設立会議あるいは登録委員会の人数は、最大で7人とする。
第十八条 財務委員会の職務
一 財務委員会は、世界議会の予算を管理する。 二 財務委員会の委員は、最大で、7人とする。
第十九条 会計検査院の職務
一 会計検査院は、毎年、世界議会の歳入と歳出の決算を検査する。 二 会計検査院の組織及び権限は、法律で定める。 三 会計検査院の検査官は、最大で、5人とする。
第二十条 世界議会の規則
世界議会は、会議、内部規律、および議員の無法な行為に対する処罰に関する規則を制定することができる。
第四章 世界議会議員および選挙人
第二十一条 議員および選挙人の資格
一 それぞれの国からの議員の選挙は、公正に公開で実施されなければならない。世界議会の議員は文民でなければならず、その議員の代表する国の国籍を保持していなければならない。 二 それぞれの議員は、その議員の代表する国の国民に直接選ばれなければならない。 三 議員の年齢は25歳以上でなければならず、選挙人の年齢は18歳以上でなければならない。 四 世界議会の議員および選挙人においては、人種、信仰、性別、社会的地位、出自、教育、資産あるいは所得による差別があってはならない。
第二十二条 議員の登録
一 それぞれの国の当選者は、その当選者を選んだ選挙から1年以内に世界議会に登録されなければならない。議員の登録は、一度だけ許され、追加の登録は次の選挙まで許されない。 二 登録議員は、登録の少なくとも1年後に、世界議会に公式の代表として出席できる。ただし、前の任期に登録された議員は、登録後ただちに代表になれる。 三 議員は、それぞれの国で再選されれば、二期以上登録できる。 四 それぞれの国からの登録議員数は、人口に応じて配分された公式の議席数の3倍までとする。表−1の場合、中国からの代表は197人なので、登録議員は 197 × 3 = 591 人である。同様に、それぞれ、インドからは528人、アメリカからは138人、日本からは57人、および仮想国からは3人である。これらの登録議員の中から、それぞれの国は配分された議席に応じて代表を送ることができる。 五 それぞれの国は、少なくとも会期の開始までに、登録議員からの代表の氏名を明示しなければならない。明示された代表は、新しい会期が始まるまで、原則として変更できない。ただし、設立会議あるいは登録委員会が認める、事故、病気などの十分な理由があれば、代表を変更できる。
第二十三条 世界議会の選挙
一 世界議会では、世界議会の総裁、書記、広報官、登録委員会の委員、財務委員会の委員、会計検査院の検査官を選挙する。 二 それぞれの公式代表は、世界議会の総裁、書記、広報官、登録委員会の委員、財務委員会の委員、および会計検査院の検査官の選挙に立候補できる。 三 何人も二つ以上の地位への候補者になり得ない。
第二十四条 世界議会の総裁の選挙
一 世界議会に出席しているそれぞれの代表は、世界議会の総裁の選挙に立候補できる。 二 選挙において、最高の票を得た候補者が総裁になる。
第二十五条 書記長および書記の選挙
一 世界議会に出席しているそれぞれの代表は、書記の選挙に立候補できる。 二 当選した候補者のうち、最高の票を得た候補者は書記長となる。
第二十六条 広報官の選挙
一 世界議会に出席しているそれぞれの代表は、広報官の選挙に立候補できる。 二 選挙において、最高の票を得た候補者が広報官になる。
第二十七条 登録委員会の委員の選挙
一 世界議会に出席しているそれぞれの代表は、登録委員会の委員の選挙に立候補できる。 二 当選した候補者のうち、最高の票を得た候補者は登録委員会の委員長となる。
第二十八条 財務委員会の委員の選挙
一 世界議会の出席しているそれぞれの代表は財務委員会の委員の選挙に立候補することができる。 二 当選した候補者のうち、最高の票を得た候補者は財務委員会の委員長となる。
第二十九条 会計検査院の検査官の選挙
一 世界議会に出席しているそれぞれの代表は、会計検査院の検査官の選挙に立候補できる。同時に、それぞれの登録議員は、その登録議員の投票権数に関係なく1人の候補者を候補者名簿に推薦することができる。例えば、1票の投票権を持つ登録議員も0.1票の投票権を持つ登録議員も1人の候補者を候補者名簿に推薦することができる。会計検査院の検査官の選挙に推薦される候補者は世界議会の議員である必要はない。 二 登録議員によって推薦された候補者の氏名は、登録委員会で受け付けられるものとし、委員会は候補者の名簿を作成する。 三 世界議会に出席している代表である候補者は無条件に選挙されることができる。一方、名簿内の候補者は、名簿に追加された後1年後に選挙されることができる。 四 当選した候補者のうち、最高の票を得た候補者が会計検査院の議長となる。
第三十条 議員の任期
一 世界議会の議員の任期は、新しい任期の最初の会議の開催が宣言された日から4年とする。 二 登録はいつでも受け付けられる。ただし、議員の任期は、新しい任期の最初の会議の開催が宣言された日から起算する。従って、例えば、新しい任期の最初の会議の開催が2020年4月1日に宣言され、国からの登録が2021年4月1日に行われた場合は、残存任期は3年となる。ただし、残存任期が2年未満である場合には、4年が任期に追加されるので来期に選出される必要はない。
第三十一条 理事と会計検査院の検査官の任期
一 理事すなわち、総裁、書記長、書記、広報官、登録委員会の委員、財務委員会の委員、および会計検査院の検査官の任期は、就任の日から4年とする。総裁に任命された副総裁の任期は、総裁の任期が満了したとき満了する。総裁が辞任したか死亡した場合は、副総裁が総裁に就任し、任期は前大統領の残存の任期とする。 二 それ故、理事および会計検査院の検査官は、世界議会の任期が満了した場合でも、その地位に留まる。
第三十二条 不適格な登録議員の除名
一 不適格な登録議員は他の登録議員によって除名される。登録議員に問題がある場合は、他の登録議員は、その問題のある登録議員の議員資格に異議を申し立てることができる。登録議員が他の登録議員に異議を申し立てる場合、その意義を申し立てる議員は、氏名と理由を明確に記した文書を世界議会の総裁に送付する。文書は、検討のために登録委員会に送付され、ウエブサイト上および世界議会の他の出版物上で公表される。異議申し立てが登録議員の総議決権数の5%に達した場合、登録委員会は、総裁の名前で、各登録議員に文書を送付する。次の段階、世界議会の会議では、異議申し立てをされた登録議員を除名する動議が提出される。出席代表の総議決権数の過半数の議決権を持った出席代表が除名に反対した場合、異議を申し立てられた登録議員は除名されない。それ以外の場合は、異議を申し立てられた登録議員は、文書による異議申し立てが登録議員の総議決権数の5%であっても、除名される。 二 登録議員よる異議申し立てがない場合でも、世界議会が、出席代表の総議決権数の過半数をもって、登録議員が除名されなければならないと議決したときは、その登録議員は除名される。 三 登録議員が死亡したか、または辞職したか、または除名された場合には、現行の任期の終了後に次の選挙が実施されるまで、それぞれの国は新しい議員を登録できない。除名された議員は、現行の任期の終了後の次の選挙で当選すれば、再び登録議員になれる。 四 それぞれの国からの登録議員の議席数は、除名の日から4年間、除名された登録議員の数に応じて削減される。例えば、登録議員2人が除名された場合、それぞれの国からの登録議員の議席数は、除名の日から4年間、2議席削減される。 五 世界議会の理事、すなわち、総裁、副総裁、書記長、書記、広報担当官、登録委員会の委員および財務委員会の委員は、本条の適用によっては除名されない。理事は弾劾によって除名される。 六 世界議会の会議における除名の過程においてもまた、第八条に規定されているそれぞれの国の最大議決権数を適用する。 七 登録議員への異議申し立ては、世界議会の開催の前3か月から会期の終了まで受け付けられない。 八 除名の実際の過程は、登録議員の総議決権数の5%に達した異議申し立ての順序に従って行われる。すなわち、ある登録議員が、総議決権数の5%を持っている他の登録議員よって異議申し立てをされ、その登録議員が異議申し立てをされた最初の登録議員ならば、その議員が、除名の動議が提出される最初の議員となる。異議申し立てをされた議員が除名された場合は、その議員は、他の登録議員の除名の動議の討議と投票で発言し投票する権利を失う。
第三十三条 弾劾
一 総議決権数の半数以上を有する出席代表が特定の理事の弾劾を支持するとき、弾劾の手続きが開始される。ここにおいて、理事は、総裁、副総裁、幹事長、幹事、広報官、登録委員会の委員、および財務委員会の委員である。弾劾の過程において、出席代表の総議決権数の三分の二以上を有する出席代表が解任を支持したとき、その理事は解任される。 二 特定の理事が解任され選挙が必要な場合には、登録委員会によって選挙が40日以内に実施されなければならない。 三 登録委員会のすべての委員が解任された場合、総裁が選挙を実施する。
第五章 会議
第三十四条 通常会議
一 世界議会の通常会議は、年に一度、総裁によって招集される。 二 少なくとも四年に一回は、通常会議は世界議会の本部が設置されていない国で開催されなければならない。 三 開催日と通常会議の会場は、理事会で定める。 四 通常会議は、少なくとも開催の6か月前に発表され、会場に到達するのに特段の困難がない限り、世界議会は、出席代表の数に関係なく、会議を開き、議決することができる。
第三十五条 臨時会議
一 総裁は、必要があるとき、世界議会の臨時会議を招集することができる。 二 総議決権数の四分の一を持った登録議員が要求したときは、総裁は世界議会の臨時会議を招集しなければならない。 三 世界議会は、以下のいずれかの場合に会議を開き議決することができる。 i 世界議会は、少なくとも開催の1か月前に発表され、会場に到達するための特別の困難がない限り、出席代表の数に関係なく会議を開き議決することができる。 ii 世界議会は、全公式代表の三分の一が出席している場合、会議を開き議決することができる。
第三十六条 議決
一 世界議会は、さまざまな事項について議決することができるが、立法権は持たない。ただし、議会が立法権を付与されれば、議会は、世界連邦憲法を制定することができる。 二 すべての事項は、出席代表の総議決権数の過半数を持った出席代表の投票によって議決される。同数の場合、議長は、その事項について決定する。ここでは、出席代表の議決権の総数は、それぞれの国の最大議決権数に従ったそれぞれの国の議決権の総数を意味する。それぞれの国の最大議決権数は、第八条で規定される。
第三十七条 世界連邦憲法の制定
一 世界議会は、通常の事項においては立法権を持たない。しかし、世界議会は、世界連邦憲法を制定するために立法権を付与されることがあり得る。立法権は、出席代表の総議決権数の三分の二以上を持った出席代表が議決した時に付与される。ここでは、出席代表の議決権の総数は、それぞれの国の最大議決権数に従ったそれぞれの国の議決権の総数を意味する。それぞれの国の最大議決権数は、第八条で規定される。 二 世界連邦憲法が制定された後は、世界議会規約は廃止され世界連邦が樹立される。世界連邦では、世界連邦憲法が公布される。
第三十八条 会議と議事録の公開
一 世界議会の会議は、人々に公開されなければならない。ただし、出席代表の総議決権数の三分の二以上の議決権を持った出席代表が議決すれば、非公開の会議が開催され得る。 二 議会は会議の議事録を保存しなければならず、この記録は公表されなければならない。ただし、出席代表の総議決権数の三分の二以上を持った出席代表が議決した時は、この記録を秘密にとどめることができる。 三 代表の投票は、いずれの事項についても議事録に記録されなければならない。 四 ここでは、出席代表の議決権の総数は、それぞれの国の最大議決権数に従ったそれぞれの国の議決権の総数を意味する。それぞれの国の最大議決権数は、第八条で規定される。
第六章 特権と補償
第三十九条 世界議会議員の逮捕の免除の特権
一 世界議会が会期中の間は、法律で定める場合を除き、世界議会の出席代表は逮捕を免除される。会期の開催以前に逮捕されたいかなる議員も、議会の要求があれば、会期中はこれを釈放しなければならない。 二 いかなる国も、この条項に従わずに、議員を世界議会に登録することはできない。
第四十条 世界議会議員の責任の免除の特権
法律で定める場合を除き、世界議会の登録議員は、議会内での、演説、討論、投票について、議会外で責任を問われない。
第四十一条 世界議会議員への報酬
一 全ての登録議員は、代表であるかないかにかかわらず、世界議会から適切な報酬を受け取る。 二 報酬の額は、財務委員会によって決定され、世界議会によって承認されなければならない。
第七章 改正
第四十二条 世界議会規約の改正
世界議会規約は、出席代表の総議決権数の三分の二以上を持った出席代表が議決した時に改正される。ここでは、出席代表の議決権の総数は、それぞれの国の最大議決権数に従ったそれぞれの国の議決権の総数を意味する。それぞれの国の最大議決権数は、第八条で規定される。
© 著者 鈴木俊雄 2017年4月
鈴木俊雄 世界政府研究所 〒270-0007 千葉県松戸市中金杉1-158 ウエブサイト: http://www.w-g.jp/index-j.htm E-メール: a@t-u.jp
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